コラム
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平成29年(2017年)6月2日に公布された改正民法が令和2年(2020年)4月1日から施行されます。
改正を受けた条文数が257ヵ条,新設された条文数は85ヵ条にも及びますが,ほとんどは軽微な表現の変更か,最高裁判所の判例の内容を明文化したもので,今後の実務に影響を与えるようなものは限られています。
コラムでは,法務省民事局が重要な実質改正事項として挙げている内容のうち,以下の事項に絞って解説します。
①消滅時効に関する見直し
②法定利率に関する見直し
③保証に関する見直し
改正民法では,以下の通り,短期消滅時効や商事債権の時効制度が廃止され,消滅時効の期間が統一化されます。
また,「権利を行使できることを知ったときから5年(新法166条1項1号)」という新しい消滅時効期間が導入されます。
改正前 | 改正後 |
原則権利を行使できるときから10年(旧法167条1項) |
原則①権利を行使できることを知ったときから5年(新法166条1項1号) ②権利を行使できる時から10年(新法166条1項2号) |
短期消滅時効5年
3年
2年
1年
|
廃止 |
商事債権権利を行使できるときから5年(商法522条) |
(注)労働基準法が適用される事例の場合,特別法である労働基準法115条で消滅時効が2年と規定されているため,改正民法166条の適用はありません。
債権の消滅時効期間の改正に関する新旧規定の適用関係は以下の通りとなります。
適用される法 | |
施行日以前に債権が生じた場合(原因となる法律行為が施行日前にされた場合を含む) | 旧法 |
施行日以後に債権が生じた場合 | 新法 |
不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効の改正及び時効の完成猶予制度の導入については,交通事故専門サイト コラム「改正民法の解説② 時効制度の改正」で解説していますので,そちらをご覧下さい。
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