工事などを請け負った際に、代金の支払いが遅れる、一部しか支払ってもらえない等の経験をした自営業者の方は少ないでしょう。
請負代金回収の場合は、その種類により、基本的に2年ないし3年で時効にかかること、また、状況によっては所謂「下請法」の適応を受けることから、通常の債権回収とは異なる特徴があります。
請負代金回収の際は、まずは話し合いによる解決を図るのが一番です。裁判となると時間も費用もかかり、建築業者にとっては不利になる一方だからです。この時、当事者間でなく、弁護士が間に入ることで、債務者側に心理的圧力を与えることができ、請負代金を回収できる可能性が高まります。
建築工事紛争審査会は、建設業法に基づいて設置された機関のことを言います。あっせん、調停、仲裁により紛争を解決する役割を担っています。
申請手続等については、都庁、県庁等に問い合わせをして、不明な場合は弁護士にご相談ください。
裁判所による解決として、まず民事調停があります。民事調停は、当事者同士の話し合いが合意に達しそうになり場合に、裁判官や調停委員を間に入れて話し合いで円満に解決を図る手続のことを言います。話し合いがまとまると、裁判と同じ効力が認められます。
次に、裁判による手続きがあります。裁判は、最終的に判決を得るのが通常ですが、裁判の途中で和解、調停手続に移行することもあります。
請負代金回収の際には、工事を担当する現場の会社が当事者となることが多いことから、長期化すると日常業務に支障を与える恐れが高くなります。また、製造委託などいくつかの類型の委託の場合で、発注者、受注者それぞれの資本金等について法律の要件を満たす場合には、「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)で保護される場合もある等、ケースによって取るべき対応は様々です。