会社に不当解雇され、解雇の無効は勝ち取りたいが解雇された会社に戻りたくない場合は、解雇の無効を主張しつつ、金銭的な解決を図る方法をとることが可能です。
その場合には、労働審判の制度を採ることが有効です。
労働審判は、平成18年に新しく始まった、個別労働関係民事紛争を解決するための司法制度です。
従来、解雇が無効とされる場合は、地位確認に代えて金銭的な補償を認める法律がなく、正式裁判や仮処分手続の中で行われる和解の場面で、金銭的な解決を図ってきました。
これに対して、労働審判は、裁判官らが法律に従って事件の当否を判断し、その判断に従って調停を試みるという手続で、原則として3回以内の期日で事件を審理し、正式裁判で争う場合と比べて非常に素早く紛争を解決できるというメリットがあります。
労働審判では、「紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする」 (労働審判法1条)としているため、一定の金銭支払いと引換えに、 労働契約を終了させることが法律上可能となりました。
そこで、不当解雇された会社への復職は求めないけれど金銭解決をしたい場合には、労働審判を申し立てることは非常に有効な手段であると言えます。