取調べの時に警察官が暴力をふるうと,警察官自身が罪に問われるので,殴られた話はあまりありません。しかし,過去には警察官が取調べで暴力をふるった事件もありました。不安な場合は,事前に弁護士に相談し,警察に対して取調べの様子を録画することを求めたり,乱暴なことをしないよう予め申し入れてもらうとよいでしょう。
万が一警察官に暴力を振るわれた場合は,すぐに弁護士に伝えて下さい。弁護士は,取調べを行った警察に直ちに抗議し,医師の診断書をもらう等してまとめ,裁判所に協力を求めて殴られたことを示す証拠を取っておくための手続をとります(証拠保全)。また,警察での調査を求めたり,被害届の提出を検討し,さらに今後の取調べに対抗策を講じます。
取調べの時に警察官が脅したり,誘導することはよくあります。脅されたり騙された場合は,すぐに弁護士に伝えて下さい。弁護士は,そのとき状況を記録して証拠とし,取調べを行った警察に抗議・警告します。そして,取調べの様子のビデオ撮影を求めるなどして今後に対応します
真実犯罪を行ったのであれば,正直に話すべきですが,身に覚えのない容疑をかけられたり,警察の言い分に納得できない場合は,否認や黙秘をして問題ありません。
但し,否認や黙秘をした場合には,捜査が長くなる可能性がありますし,理由なく言い逃れのために否認すると悪情状となり,判決でより重く処罰されることがあるので注意が必要です。
弁護士立会いの下で取調べを受けたい場合は,その旨を警察に伝えて立ち合いを求めることは可能です。
但し,日本の法律では弁護士が取調べに立ち会う権利は認められていないので,実現は難しいと言えます。