告訴とは、被害者が、何らかの犯罪の被害を受けたこと、そして犯人の処罰を求める旨を警察などに報告するものです。
告訴の取り消しは、器物損壊罪など、告訴がなければ基礎ができない犯罪類型である親告罪において特に重要な意味を持っています。
親告罪の事件で、検察官が起訴する前に告訴が取り消された場合は、検察官は起訴ができないので刑事裁判が開かれることはなく、前科が付くこともありません。
また、起訴ができないために逮捕する必要がないとして、逮捕回避につなげることができます。
親告罪でない事件の場合は、告訴が取り消されたら逮捕できないという法律の決まりはなく、必ず不起訴になるとも限りません。
しかし、告訴の取り消しは、被害者が刑事処罰を強く望んでいないことを示しますので、逮捕や起訴の可能性を下げることが可能です。
仮に、犯罪を犯したことに間違いがなく、告訴されてしまった場合には、被害者に対して謝罪と賠償を尽くして示談に応じてもらい、告訴を取り消してもらうように努力することが大切です。
しかし、加害者側が被害者の連絡先を知るということ自体難しく、また、被害者の意図を無視して示談を迫ると、脅しと捉えられて逆効果になってしまいますので注意が必要です。。
告訴は、検察官が起訴する前まで取り消すことができると定められています。
検察官が一度事件を起訴してしまうと、告訴を取り消すことは不可能です。
仮に、起訴後に示談が成立し、被害者が告訴取り消しを承諾したとしても、検察官の起訴が取り消されて裁判が中止されることはありません。
判決で有罪になれば、前科がつくことになります。
それだけに、起訴前に告訴を取り消してもらうことは非常に大きな意味を持っています。