真実犯罪を行ってしまった場合は,容疑を素直に認め,反省をして頂くことが第一です。
その後,起訴され,刑事裁判を受けることになった場合には,裁判官に対して有利な事情を伝え,理解してもらえるような弁護活動をおこなうことが重要です。
日本では,法律で「事実の認定は証拠による」と定められています。つまり,裁判で事実を認めるためには,証拠による裏づけがなければならないのです。
裁判で加害者側に有利になる証拠は,
の2種類に分けられます。
刑事裁判では,検察官に証明責任があり,被告人が犯人であることを証明しなければなりません。
そこで,弁護側が犯人ではないことを主張する場合には,検察官の証拠では事実が認められないことを示す証拠(目撃者の視力が悪いことを示す診断書等)を提出することになります。
また,被告人が犯人ではないことを証明するためにアリバイの主張をすることも有益です。
さらに,「正当防衛」にあたる事情や,被害者の同意があったことなど,特別な事情によって無罪を主張する場合もあります。
犯人であることに争いがなく,正当防衛などの事情も認められないために犯罪が成立する場合は,どのような刑罰を与えるのかを判断するための「情状事実」を認めてもらうための証拠を提出することになります。
具体的には,どのような事件かを判断するための「犯情事実」(どのようなことをしたのか,なぜしたのか,どんな被害が生じたか,共犯がいるときはどのような役割を果たしたか)を示します。
次に,刑罰をどうするかを決めるための「一般情状」(被害者対応,被害者の感情,反省の有無,家族環境,監督者の有無,前科の有無,社会的な制裁の有無など)を示します。
特に,被害者がいる事件の量刑判断においては,被害者に謝罪や弁償等を行って示談が成立していることが最も重要な情状になります。