前科とは一般に「裁判所で有罪の判決を言い渡されたこと」をいいます。したがって、逮捕されただけでは前科は付きません。
前科が付くのは、犯罪の容疑をかけられ逮捕された後、起訴されて有罪判決が確定した場合です。
つまり、被害届を出されても起訴されなかった場合、逮捕されても起訴されなかった場合、起訴されても無罪判決となった場合には、前科は付きません(罰金と引き換えに釈放される略式請求手続きであっても、起訴されて有罪になることには変わりませんので、前科となります)。
但し、被疑者として扱われたという記録は都道府県警察や検察庁のデータベース上に前歴として残ります。
逮捕されても前科を付けないためには、不起訴処分を獲得するか、刑事裁判で無罪判決を獲得する必要があります。
しかし、日本の刑事裁判では無罪になる確率はおよそ0.1%と大変難しいのが実情です。
そこで、前科をつけないためには、不起訴処分の獲得を目指すことが大切です。
不起訴処分を獲得するために、できるだけ早く弁護士を選任して適切な弁護活動を行ってもらうようにしましょう。
容疑を認めている場合、情状を良くすることが重要になります。
容疑の内容を素直に認めて反省と更正の意欲を示すこと、また、被害者がいる事件では、被害者側に謝罪と賠償を尽くして示談を締結してもらうことが重要です。
さらに、こうした事情を検察官に十分に伝えることも大切です。
容疑を認めていない事件の場合、その主張を最後まで貫くことが重要です。
無実を主張するなら、捜査機関の過酷な取り調べに耐えなければいけません。
刑事事件の経験豊富な信頼できる弁護士を選任し、捜査機関側の証拠を推測して弁護活動を組み立て、適切なアドバイスを受けることが大きな意味を持ちます。