過払い金請求をするときは、請求ができるか、どれだけ請求できるか、請求にどのくらいかかるか、という3点に注意する必要があります。以下ポイントをご説明します。
過払い金を請求する際には、時効にかかっていないか、幾ら取り返せるかを把握することに注意する必要があります。
過払い金は、完済した日から10年で消滅時効にかかります。つまり、それ以降は過払い金が発生していても、請求することはできないのが原則です。
消滅時効にかかる前であっても、貸金業者の資金繰りが悪化するなどして、全額を回収することは難しいのが実情です。
実際、武富士をはじめ、丸和商事、旧三和ファイナンスな、と中堅クラスの消費者金融も経営破綻し、消費者金融の金残高は、2010年時点で、ピーク時の2006年に比べて半分以下に縮小しました。そのため、過払い金を請求しても減額交渉をしてくる業者が多く、実際に全額を取り戻すのは難しいのです。
また、過払い金を請求する際には、具体的には以下の流れのように、きちんと資料を揃えることも重要です。
貸金業者に、貸金の取引明細を請求します。これにより、貸金業者は、借主が過去、いつ、いくら借りて、いつ、いくら返済したという明細を開示してきます。
①の明細に基づいて、引き直し計算を行い、過払い金額を算出します。
②で判明した過払い金額をもとに、業者に返還するよう請求します。
業者が取引明細を出さなかったり、返還を渋るなど、任意の話し合いで返金されないような場合、裁判という手段をとります。
ただし、上記の流れのように書類を揃えても、裁判になった場合には、契約書や通帳の記載などをもとに利息制限法による引き直しの仮計算を行い、管轄の裁判所に過払い金返還請求の訴えを起こし、裁判所が指定した口頭弁論の期日に裁判所に出向いて意見を述べるなど、大変な手間がかかります。