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どのような場合に離婚できますか?

離婚できる場合

夫婦双方が合意して離婚する協議離婚の場合は自由に離婚できます。
しかし、裁判による離婚をする場合には、民法で定められた離婚原因が必要です。つまり、相手の同意が無くても、離婚原因にあてはまれば離婚が認められる可能性があります。

① 不貞行為がある場合(民法770条1項1号)

不貞行為とは、いわゆる浮気や不倫のことを言います。裁判例では、「配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」即ち肉体関係に至った場合が不貞行為とされています。離婚原因としての「不貞」は「婚姻関係を破綻させたか」が重視されるので、裁判で離婚の原因として認められる「不貞行為」とは、ある程度継続的で肉体関係を伴う男女関係をいうものと考えられます。

② 悪意の遺棄をされた場合(民法770条1項2号)

悪意の遺棄とは、配偶者が正当な理由なく同居義務・協力義務等を行わないことを言います。裁判例では、半身不随の身体障害者の妻を自宅に置き去りにし、長期間別居し、その間生活費を渡さなかった夫の行為が「悪意の遺棄」にあたると判断されました(浦和地裁昭60.11.29)。他方で、相手が同居に応じないだけでは「悪意の遺棄」にあたるとは言い難いでしょう。

③ 相手の生死が3年以上不明の場合(民法770条1項3号)

「生死が不明」とは、単に行方不明なだけでは足りず、生きている証明も亡くなっている証明もできない場合を言います。このように、配偶者の生死が3年以上不明な場合に、夫婦関係は既に破綻しているとして、離婚を請求する権利が認められたものです。3年以上生死不明なだけで離婚届の提出はできず、裁判をすることが必要です。

④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合(民法770条1項4号)

配偶者が強度の精神病で且つ回復の見込みがない場合は、離婚原因になる可能性があります。しかし、実務上は精神病を理由に離婚を認めることはほぼないと言ってよいでしょう。最高裁判所の判例でも、単に夫婦の一方が不治の精神病にかかっただけで離婚請求の理由を認めるべきではないとしたものがあります。

⑤ その他婚姻を継続しがたい重大な事由がある場合(民法770条1項5号)

婚姻関係が破綻して回復の見込みがない場合を言います。夫婦関係が破綻し、双方に婚姻継続の意思がないこと(主観的側面)、婚姻共同生活を回復する見込みがないこと(客観的側面)を、裁判所が具体的事情から判断します。具体的には、別居の有無や別居期間、暴行・虐待の有無、性格や性の不一致、浪費など、種々の事情が考慮されます。

但し、上記のような離婚原因がある場合であっても、裁判所は必ずしも離婚の請求を認めるわけではありません。裁判所が一切の事情を考慮して、婚姻の継続を相当と認める時は、裁判所の裁量で離婚の請求を認めないとすることができます。なお、⑤の場合で有責配偶者からの離婚請求を除いては、裁判所が裁量で離婚の請求を認めないとすることはできないとされています。

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